小津安二郎『秋刀魚の味』
東京物語に続いて...。
東京物語に続いて有名な作品であり、私が東京物語に続いて2つ目に視聴した小津作品です。こちらの作品はカラーなのですが、色彩よく、最初に映る工場地帯の煙突の銀と赤がとても綺麗です。終始温かみのあるフィルムの色味で、質感で、それだけで秋刀魚の味の雰囲気が頭に焼き付きます。
冒頭、のシーンの工場
笠智衆演じる父親が勤務するオフィスから見える工場
オフィスの窓から見える煙突もとても綺麗です。
小津作品に登場する美しすぎる昭和の女性たち
小津作品を見ていて常々思うのが女性がとても綺麗だということ。特にこの映画で娘役を演じる岩下志麻さんには驚きました。
岩下志麻
密かに想いを寄せる兄の部下と電車を待つ娘役演じる岩下志麻
驚くのが岩下志麻さん、この美しさで男っ気のないクールな女性を演じきったということです。しかし、やはり想いを寄せる人の前では少し女を感じさせるという器用さ。
今思うとこのシーン、非常に切ないシーンです。本当は両思いの二人がお互い想いを伝えないばっかりにすれ違ってしまうのですから。
続いて、岸田今日子さん演じるバーのマダム。このかたも本当に色っぽくて綺麗な女性でした。娘が結婚したら一人になる父親が亡くした女房に似ているというんだから、懇ろになってくれたらなんて思いながら見ていました。