ばかくんの映画ブログ

映画好きの美大生が映画ブログを書きます。

『ボーダーライン』エミリー・ブラント主演、ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督 ※ネタバレ

簡単に言うと

・下っ端捕まえても麻薬は減らない→親玉捕まえるしか

・CIAは国内で単独捜査できない...せや!FBIから女を引き抜け!→なんか邪魔ばっかしてくる...。

・女「これは違法捜査だ!暴露する!」→CIA「殺すぞ。」


 偏見に溢れた書き方だけど実際こんな感じ。まあ「善悪を考えさせる」ようなテーマ的に正義感溢れる主人公と悪と戦うためには法を侵すことも厭わないCIAという構図にはなると思います。
 邪魔ばかりする女性捜査官にいちいちイライラするのは野暮かもしれませんね。とは言ってもこの映画の主人公はほぼベニチオ・デル・トロ演じる"嘆きの検察官"ことアレハンドロだと思います。見せ場多いしかっこよすぎる。


秩序と均衡

 アレハンドロが戦ったのはこれと復讐のため。コロンビアマフィアが正義とは言わない。しかし、CIAが把握できるだけの量を流通させ、秩序と均衡を保っていた彼らに代わり、麻薬を流通させた組織は秩序と均衡を崩していった。
 かつての秩序と均衡を取り戻すためにアレハンドロとCIAは悪とも手を握ったということです。

突入シーン

 

 私が関心したのは突入シーンの緊張感、臨場感です。暗視カメラや衛生?ドローン?からの視点が効果的に使われていて、隊の一員になったような緊張感があります。

 

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主演はほぼベニチオ・デル・トロ??

 登場シーンからずっと雰囲気醸しまくりのベニチオ・デル・トロ、最初は謎の多い男だが次第に男の抱える過去や現在の活動が明らかになっていきます。

 

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登場シーンのベニチオ・デル・トロ
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ボスの家まで乗り込み復讐を果たす嘆きの検察官


この時の会話シーン

ボス「お前を雇った連中は違うのか?お前の妻はそんな姿を見て誇りに思うのか?」

 

アレハンドロ「娘のことも忘れるな」

 

ボス「息子たちは助けろ」

 

アレハンドロ「神に召される時が来た。」(子供と妻を射殺)

 

驚くボス

アレハンドロ「食事を済ませろ」

 
 自分のことを棚にあげアレハンドロを雇った連中とアレハンドロを批判するボスの開なおっぷりには呆れるばかり。しかし、家族を残酷に殺され、長年このために生きてきたアレハンドロの意思は堅い。

 子供と妻の死体の隣で飯を食わせるとは酷なことだがこの後すぐ射殺する。
積年の恨みにしては生易しい。
妻の首を切断し、娘を酸に投げ込んだ男への復讐なのだから。



まとめ
 映像も綺麗で見やすくて丁寧に説明してくれるしテーマも非常にわかりやすいです。女性捜査官は脅されて書類にサインをしたものの最後まで自分の信念を貫いた。しかし心のどこかでは悪と戦うには自分のやり方は通用しなくて、アレハンドロやCIAのような存在が必要だということにも気づいていて、絶望していたんじゃないでしょうか。